モノローグその2...ペペロンチーノとカルボナーラについて

今はどうか知りませんが、ひと昔前、イタリアンに行って、食材の良し悪しが知りたければカルボナーラ、腕を知りたければペペロンチーノをみれば判る、とか言われてましたが、ある意味で的を射ているようでもあり、まったくトンチンカンなようでもあり..
ただ、いずれにしても代表的なパスタメニューではありますので、ちょっとばかし
(くどくどと?)紹介させていただきましょう。




カルボナーラについて

 

 


ペペロンチーノについて
店に新人が入るとなると、最初にペペロンチーノを作ってもらうことにしています。
調理の癖とか、パスタの扱い方や知識等、いろいろ判断材料を与えてくれます。
でも、大体共通しているのは、まずニンニクをスライスにするか、そのまま潰すかして、フライパンを火にかける前入れる。ニンニクを弱火でキツネ色になるまでじっくり炒める。ゆで汁を入れて進行を止め、パスタが上がったら勢いよく煽ってシッカリとスパゲッティを絡める(炒める)。
正に教科書どうりで、一見完璧なようなのですが、実際食べてみるとあまり美味しくない。先ず、オイルが臭い。酸化してる感じですね。そして、油っぽい....

<ニンニクをキツネ色になるまでいためる>に、こだわり過ぎなんですね。
キツネ色にするためについつい火加減が強めになって、しかもそれをずっと続けるものだから、そりゃあオイルだって酸化しますよね。
所が、キツネ色って実はイタリアだったら、逆に失敗作。実際少しでも焦げ臭くなったら捨てちゃいます。本当に弱火で、じっくり、じっくりとニンニクに火を通す。オイルで煮るって感覚かな。正にニンニクのエキスがたっぷり溶け込んだオーリオ(オリーブオイル)をパスタに絡める訳です。

所が、ここで問題なのが、イタリアと日本のニンニクの違い。
イタリアのものはあまり辛くなくって火を通すとホクッとした感じ。逆に日本で出回っているものは(中国産が特にひどいけど)何か変な臭みがありますよね。そういうニンニクを使うのなら、少しキツネ色気味も仕方ないのかも.....(と思わないでもないのですが)....それに、日本人って焦がしニンニク好きみたいだし.....
そこで、困り果てた
UnoVinoとしては、かの有名な青森・田子町(たっこまち)産を使うことにした訳です。で、案外調子良くって、イタリア式に耐えますね。ホクッと.....
  因みに、田子ニンニクについては
   http://www.net.pref.aomori.jp/takko/

オリーブオイルも重要ですね。何しろ使えるものは、ニンニク、唐辛子、オリーブオイル、塩、パセリ、パスタだけですから(笑)。酸化させるくらいならピュアオリーブオイルで十分ですが、イタリア式なら是非エキストラ・ヴァージン・オリーブオイルを使いたい。極く弱火ならシッカリ豊かな味わいを加えてくれます。

次、唐辛子(ペペロンチーノ)ですが、辛味だけだと思ってませんか? 実は、味も大事なんですよね。例えば、牛丼に一味を振ると風味あるじゃないですか。それですかね。小さく刻んで、しっかりオーリオに風味を移してやってください。イタリアだったら種まで入れちゃう。辛いのが苦手なら種の付いてる頭の部分を使わなければ少しは抑えられます。

それから、塩は大変ですよね。食卓塩とかだと塩角(しおかど)が立っちゃうし、なるべくミネラルたっぷりの天然塩を使ってください。本来茹で汁にしっかり塩が入っていて、後で余り塩をしなくて良いのがベターですが。
もし、それでも塩っ辛くなった時は、、、もう味の素をほんの少し入れるしかないですかね。ほんの数粒で効果絶大です。でも、これはイタリア料理としてはかなり邪道なので、イタリアンにこだわるならもう諦めましょう(笑)。

パセリはイタリアンパセリがいいですね。何か塩角が取れるような気がします。以前、契約しているハーブ農園の親父さんに聞いた話では、味の素に近い成分が自然に入っているらしい(未確認ですが)。国産パセリだと逆に塩角が立つようです。反面シャキッともしますから、魚介のパスタ料理にはいいですけど。

話を戻して、もうひとつのペペロンチーノが油っこいって、これもよくありますよ。パスタをフライパンにいれガンガン煽る。下からは火で熱し、上では煽って冷ます。で、パスタの水分が飛んで焼きスパになっちゃう。何の目的で煽っているのってよく聞くのですが、本人もよく判ってない様子なのです。
コツはサラダの要領ですね。水分をたっぷり含んだみずみずしい野菜に、例えばオイル3:酢(水ですよね)1のドレッシングをよく振って乳化(一体化)させて和える。ドレッシング自体はオイルが多いけど油っぽくはないでしょ。レタスだったら水分が多いから4:1でもOK! 
パスタだったら、パスタがあがる寸前にフライパンに茹で汁を少し入れてひたすら手早く揺すって水とオイルをモッタりと乳化させる。そこへ湯をきったパスタを入れて一気(!)に和えて皿に盛り付ける。火にかけるのは冷まさないためと乳化を助ける(熱すぎると逆に分離しちゃうけど)ためで、炒めれば炒めるほど麺は痩せてしまう。ペペロンチーノの場合はフライパンの中でいくらじっくり炒めたってパスタに味が染み込んだりはしませんよ。
パスタは1.3mmのフェデリーニがベストですかね。さっぱりしたしたソースには細めのほうが合うし、水分を多く抱えてくれるし。 いずれにしても、パスタって,麺の中の水分が飽和状態であること、ぬるくない(と言うよりも熱い)ことが絶対条件ですね。

う〜ん。こう書いてくるとペペロンチーノって奥が深い(?)
でも、イタリアではレストランのメニューには載っていないんですよね。ひとつには、家庭で出来るようなものを出しても仕様がない。レストランはやはりハレの場だからもっと食材的にも良いものがあるだろうって。
まあ、言えば作ってくれますけど、やはり夜食が似合う料理かも。

因みに、UnoVinoでもメニューには載せてありません。こちらは単に人手がなくってピーク時はとても付きっ切りになれないためです。(スミマセン。)でも、結構オーダーされてますけど.... 

ペペロンチーノについて


カルボナーラについて

カルボナーラって案外いろんな作り方されてるパスタですが、実は余りにシンプルで変化のさせようもない料理。パンチェッタという生ベーコンを炒めて、卵黄とチーズ(ペコリーノチーズ)をパスタに絡め、黒コショウを振るだけです。タマゴご飯のような感じに仕上がればOK! 

作り方は、少なめのオリーブオイルで拍子切りしたパンチェッタを炒める。パンチェッタは豚のばら肉の乾燥塩漬け。最近はイタリア産の生食できる良いものが輸入されており、生ハムのように薄くスライスしても美味しく食べられます。パスタだったら、変な臭みがなくて、あまり硬くなく、香りの良いものを。カリカリにはせず、脂の部分が美味しく溶け出る感じで炒めます。因みに、本式ではグアンチャーレ(豚のほほ肉の塩漬け)を使いますが、入手しにくいのでイタリアでもパンチェッタで代用されています。
別のボールに、卵黄とチーズとほんの少しの生クリームを入れて和えておく。温めた厚手の耐熱容器でもOK。タマゴは黄身の色の濃い色の方がイタリアっぽいかな。ローマ近郊の料理なので、チーズはペコリーノ(羊乳のチーズ)をたっぷり使います。パルミジャーノ・レッジャーノが豊かでまったりした女性的な風味なのに対し、シャープで辛口な男性的な風味。少し優しい味にしたければ両方半々で使ってもOKです。生クリームは繋ぎと伸ばすためなので、ほんの少し(1人前に小1くらいかな)。無ければ牛乳でも構いません。もしカルボナーラを、乱暴な分け方ですが、敢てクリームソース系か、チーズソース系かといえばこれはもうチーズ系ですね。
パスタが茹で上がったらフライパンに移し、多めのバターを弱火でもったりと絡め、ボールに移して滑らかに合える。強火だとバターが分離してしまいます。この感じでタマゴの入らないカルボナーラ(カルボナーラ・イン・ビアンコ)も可能。この場合フライパンだけで、バターが溶け終わるまでに、チーズを絡め終わるように仕上げます。バターは発酵バターが風味がよくて良いですね。
皿に盛り付け、黒コショウを粗く挽いて完成。黒コショウの粗挽きを炭に見たてるところからカルボナーラ(炭焼き風)。パスタを口に運ぶ時黒コショウがプ〜ンと香って食欲をそそります。
パスタはスパゲティ(1.9mm前後の太めのもの)が正統派ですが、タリアテッレもよく合います。

ところで、パンチェッタが無かったら、代用でベーコン(燻製されたパンチェッタ)を使うということになるのですが、この辺でいろんなカルボナーラが生まれて来たのでしょう。生クリームたっぷりならタマネギも加えたいし、ワインで味を引き締めてもいいかも。チーズは、パルメザンかな。